James Lavelle - Global Underground 037
久々のGUシリーズのご紹介、2009年に発売されたU.N.K.L.E.のメンバーJames Lavelleの担当した今シリーズの37作目です。
今回のフィーチャーはタイの首都バンコクです。
昨年の洪水も大変そうでしたがいつのまにか報道がなくなってましたが、だいぶ落ち着いたみたいですね。
で、その洪水の中でもたくましく(?)生きるタイパワーを感じるような
雑多でカオスなMix作品に・・・なってる気がします。
先ずは1枚目、Dovesの壮大な歌モノからスタート。
序盤はAnimal collectiveからNathan Fake、James Holdenと少々狙いすぎな
エレクトロニカトラックが続きます。
そのまま自身のUNKLEトラックが連続するディープな雰囲気へ、
そしてまたクリック&エレクトロニカの世界へと戻りつつ
School of Seven BellsのSempiternal / Amaranthで終了へ。
トラックリストを見た感じちょっとストレート過ぎる気がしましたが、非常にサイケでカッコいい1枚目です。
2枚目はストレートな四つ打ちへ。
3曲目のTrouble In Paradise (Variation On A Theme) (Unkle Surrender Sounds Session #11)ですが、
4曲目 Space Bird (Dubfire Deep Space Remix)に非常に近しいシンセ音が入ってて、
2009年当時から「あ、これSpace Bird側の曲意識してる音だな・・・」と思ってたのですが
まさかそれにつなげる展開をMixCDの方で披露してるとは思いもしませんでしたねw
2枚目もサイケな雰囲気は残しつつボトムの太いオーソドックスなMixです。
エレクトロニカ要素の4つ打ちMixが好きな人には1枚目がかなりオススメできると思いますね。
バンコクはカオスだけどここまでサイケでグニョングニョンはしてない気がしますがまあその辺は、
異国の地的なモノを感じてもらえればいいのかな・・・
Gold Panda - DJ-Kicks [K7 Records]
以前にもJames Holdenの作品で紹介したDJ-Kicksのシリーズですが、
四つ打ち/ブレイクビーツに関わらずホームリスニングとして機能するMix作品を、
ということをテーマにしたシリーズだったようです。
今シリーズだとHoldenとApparatの2作品を聴いたのですが、
確かにガツガツとしたフロア用というよりはBGMとしても使えるそれぞれのArtistの特色を生かしたものが多い気がしましたね。
(といっても、そもそもMixCDって全般的にホームリスニングにも向けた「作品」として作ってあるのが多い気がしますけど)
さて、呼んで字の如く金色のパンダことGold Panda、
本名Derwin SchleckerのDJ-KicksのMixシリーズがこちらです。
シロフォンやカリンバのようなオリエンタルな楽器感のあるエレクトロニカを基調とした
トラックを作る金パンダさんですが、
近作も自身のトラックから近しい音色のニカやブレイクビーツを混ぜてます。
序盤デトロイトのエレクトロなモノも絡めつつダブステップ、グリッチを経由してく。
An Iceberg Hurled Northward Through Clouds by Gold Panda
全体的な雰囲気はやはり自身のイメージに上手く合わせてきた感ですが
リズムが二転三転するためか何処と無くとっちらかった感じも否めないかなと・・・
Visionquest - Fabric 61 [Fabric]
いつものFabricシリーズから、珍しくレーベル名での作品がリリースです。
新鋭のテックハウスレーベルVisionquestの、
Seth Troxler, Lee Curtiss, Ryan Crosson, Shaun Reevesの四人で共同Mixしたとのこと。
レーベル名のリリースだけあってレーベルカラーと違わぬモダンなミニマルハウスのセットです。
上がりきらない低空飛行のグルーブに、
時折うさんくさい歌モノと哀愁テックハウスを行ったりきたり。
そうしてるといつの間にかラストに。 そこで突然謎の歌がかかります。
歌モノが心なしか多いのはメンバーのうちにそういうタイプの人が居るのかしら。
あと一応、同名のサイケのイベントとは無関係です(たぶん)。
本来の「Vision Quest」とはネイティブアメリカンが行う儀式のことだったんですね。
Radiohead - The King of Limbs [No Label]
昨年リリースされた、レディオヘッド式ダブステップなどと呼ばれた今作ですが、
前作の「In Rainbows」が結構シンプルだった構成に比べて
このアルバムはよれたリズムに絶妙にズレたハットやキックがスパスパスパスパとした一聴すると
つかみどころのないダンスアルバムな雰囲気が。
1曲目のBloomあたりはどことなくプログレッシヴロックあたりの
大袈裟なスケール感を感じたりするかも。 ホーンの部分とか。
「これは難解なアルバムだ」って評価を見たりもするけど、
これはむしろシンプルに「人力ダブステップやってみました」ってだけだと思うのです。
リズムは複雑でやってることは難解でも。
5曲目のLotus FlowerのPVでは江頭ばりに踊り狂うトムのダンスが鑑賞できます。
Radioheadが2008年にさいたまで歌ってる時の映像(フル): UntonesAgoria - Fabric 57 [Fabric]
最近どんどんお値段もお手ごろになってきたFabricの、昨年のAgoria担当作品です。
前作のMixCDのBalance 016の鈍いサイケ感が抜けて心地よいタイプの方のMixに仕上がってます。
じわっとしたパッドに湿っぽいパーカッションで序盤は低空飛行してくるのですが
そこにオペラを絡めるあたりのセンスがやっぱりこの人のアレらしさが出てて面白いです。
浮遊感の流れのまま、色んなサンプリングを被せたSpeechlessのOriginal→Radio Slave Remix、
終盤に向かってアシッドになったかと思ったらジャズから再びオペラというカオス展開で幕引きです。
こうして文字に興すとまったく統一感ないのですが・・・そこはAgoria特有の妖しい脳内世界が広がってますね。
序盤〜中盤の雰囲気は非常に心地良いのでおすすめです。
2011/12/31 New Year's Eve Countdown to 2012 endless flight with mule musiq @ eleven
人生初のカウントダウンイベントに行ってきました。
選んだのは3月の震災で悲しいことにキャンセルとなってしまっていたDJ KozeとLawrenceが
9ヵ月後にカムバックしてカウントダウンに登場するelevenです。
渋谷で事前にお酒とお食事をとりつつ、23時ごろにIN。
思ったよりもすんなり入れて年越しの45分前にはフロアでゆったり出来ました。
他のハコにもでっかいゲストが多数来てたなか、なかなかDeepな組み合わせの面子だったこともあるのか
フロアもぎゅうぎゅう詰めという訳でもなく、かと言ってガラガラでもないなかなか快適な感じでした。
樽酒も振舞われ、お雑煮も食べられてなんだか普段よりもパーティらしいゆるーい雰囲気で心地よかったです。
2012年になったと同時にLawrenceがスタート、
その次のトラックがKoze、そしてLawrenceとゆるやかなB2Bがスタート。
スタートからDeepな感じでゆっくりつないでいったのですが、徐々に上げつつDopeなテックハウスをかけ、
かと言って上がってきたらまた落としてエレクトロニカなテクノやクリックハウスにつないだりと
まさしく低空飛行なエンドレスフライトを続けていく渋い年越しでした。
KozeはCDを、Lawrenceはアナログを使っていたようですが
LawrenceのMixは非常に上手かったです。
音使いも彼らしい繊細なトラックばかりで非常によろしかった。